木立性ベゴニア

春

（桜の開花宣言の頃）～秋（霜が下りる晩秋）までは、戸外の明るい日陰、又は木漏れ日が当たる程度の、風通しの良い場所に置きます。
室内のレースのカーテン越しでも大丈夫です。
強い日差しが当たると葉焼けすることがあるので、よしずや遮光シートを使い、柔らかい日差しの場所に置くようにしましょう。

盛夏

北側の日陰に移したり、室内の半日陰に移動するなど、少々暗くなってもいいのでなるべく涼しい場所を探して下さい。

晩秋~冬

室内に取り込み、明るい窓辺に置きます。
日照量が少なくなるので、明るい窓辺でしっかりと日光に当てましょう。
窓ガラスの近くに置くと、夜間の低い気温がダイレクトに当たります。少し窓から離して置いて下さい。

根茎性ベゴニア

根茎性ベゴニアは、木立性ベゴニア栽培に必要な光量の半分程度でも十分育てられます。
年間を通して、活字が読める明るさの部屋で育てることが可能です。
根茎性ベゴニアの中には湿度を好む品種が多くあり、小型の葉であれば、テラリウムと呼ばれるガラスの容器栽培にも向いています。

ベゴニアは水をさほど好む植物ではないため、毎日の水やりは不要です。
（必要なのは空中湿度です）

鉢の表面が乾き、数日したらたっぷりと水を与えます。鉢底から水が流れ出るのを確認して下さい。

夏季は表土が乾いたら与えますが、根に負担のないよう、早朝や涼しい時間帯に実施すると良いでしょう。

冬季は成長も緩やかになるため、潅水のペースもそれに応じて少なくして下さい。
根茎性ベゴニアは空中湿度が高い場所でよく育つので、秋～冬季は加湿器を置いて下さい。

春や秋の初め頃には、アブラムシが発生することもあります。粒剤の殺虫剤を株元に置くなどして未然に防いでください。

ベゴニアの生育期にあたる、春から秋にかけて置き肥をします。
開花期間中は、液肥を２週間に１回のペースで実施すると良いでしょう。

35度以上の猛暑日が続くと生育が休止します。液肥も置き肥も控え、秋のお彼岸過ぎを目安に施肥を再開します。

冬季は施肥をストップします。
根茎性ベゴニアは早春に開花するものが多い為、2月頃から施肥を始めましょう。

気温が上がり、6月以降、ハダニやホコリダニに注意。発生したら水で虫を洗い流すか、ハダニ用の殺虫剤を散布します。

排水性と保水性のある、やや弱酸性の土を好みます。

赤玉小粒５：バーミキュライト３：鹿沼土１：ベラボン１等を参考に配合し、元肥を混ぜます。

根茎性ベゴニアは木立性ベゴニアより根がやや繊細な形状のため、軽めの土を好みます。
赤玉小粒を少なめにし、パーライト等をその分加えます。

赤玉小粒４：バーミキュライト３：鹿沼土１：パーライト１：ベラボン１など。

花郷園オリジナルの専用培養土もおすすめです。

適期は春〜秋ですが、根が張ってきたら一回り大きな鉢へ植え替えます。

鉢のサイズに比例し、株立ちも大きくなるので、コンパクトサイズのまま楽しみたい場合は、 根鉢の周囲の土を落とし、根の先端の1/3をカットし、元の大きさの鉢に、新しい用土と共に植え替えます。

根茎性ベゴニアは比較的緩やかな成長なので、頻繁な植え替えは必要なく、 根茎が鉢から飛び出すように大株になってきたら切り揃えるだけでも十分です。

植え替えをする際は、口径が広くて浅い平鉢がおすすめです。

適期は４月～１１月初旬（盛夏を除く）

株が大きくなり、枝が飛び出すなど草姿が乱れてきたら、節の上で剪定を。
切った後、節から新芽が生えて分岐し、新しい葉が増えて株をリフレッシュできます。

木立性ベゴニアの成長点は茎にあるのに対し、根茎性ベゴニアには根茎に存在します。
切り戻しの作業は特にしなくても良いですが、鉢の縁から枝が出て気になるようでしたら切り揃えても良いでしょう。

Terrariumの「terra」とはラテン語で「大地」「土」を意味し、「rium」とはそれに関する場所、館のことです。
いわば、植物の生息するミニ温室の世界と言って良いでしょう。

ベゴニアの中でも湿度を好み、光量が少なめでも十分に育成する品種や、さほど大きくならない小型品種など、 テラリウムに向く品種があります。

この小さな温室の様なガラス容器を使えば、温室がなくとも空中湿度を保つことが出来ます。
コンパクトにおしゃれに植物を育てられる、新しいベゴニアのスタイルです。

苗の大きさと空間のバランスを見ながら、口が広めのガラスの容器を使用します。
金魚鉢でもスタイリッシュなものや、梅酒を漬けるようなお洒落な蓋付きタイプのものなどを選ぶと良いです。
最近ではテラリウム用のガラス容器も出回り始めています。
蓋を開閉し調整する為、口径を覆うガラスの蓋もあると良いでしょう。

テラリウム栽培には、横に広がるように成長し、湿度を好む根茎性ベゴニアが適しています。 小ぶりな葉を茂らせるタイプなら、コンパクトなテラリウムでも栽培しやすいです。

ガラス容器に室内園芸用土「ボタニカルソイル」 を使用し、直接植え込みます。

ボタニカルソイルは、鉢底穴が無いガラスの器に相応しい、画期的な用土です。
焼成した多孔質の粒状の用土で、保水力と通気性に大変優れています。
肥料分も含まれており、適度な成長が促されます。

テラリウム内は湿度が保たれるため、頻繁な水やりは不要です。苗の様子を見ながら適宜行います。

ボタニカルソイルの表面が乾燥して白く変化し、更に表層３ｃｍ程度まで乾いたのが確認出来たら、水やりのタイミングです。（１ヶ月に１回程度の場合もあります）

テラリウムの底から水が抜ける穴がない為、たっぷり与えるのではなく、根に十分行き渡り、ソイルがしっとり保水する程度です。
底に水が貯まるのは良くありません。

小さな容器内で楽しむため、成長を促すような肥料の与え方は基本的に実施しません。

葉色が悪くなってきたり、元気がなくなってきたら「メネデール」などの活性剤を薄く希釈したものを葉面に散布します。